著者は相ノ島で7年間ネコを観察し続けた動物学者だそうです。
この本を買ったのは単純にネコが好きだからで、かわいいネコの姿が書かれているかと思っていました。
ですが、この本にはネコのかっこよさというか美しさというか、そういった面が書かれていました。
興味深かったのはネコとイヌの性格の違いについてです。
イヌは基本的に群れで狩猟生活をするため、リーダーに付き従う従順さをそなえている。
なので、ヒトがリーダーであると教えさえすれば、イヌはヒトに従順に従う。
イヌはこういった性質をもつため、ヒトがイヌの狩猟能力を利用するために共に生活するようになったわけです。
という訳で、主従関係からスタートしているため、イヌは躾ければヒトに従う従順で利口な性格を持っているそうです。
対してネコは犬の場合と全く異なります。
ヒトが農耕生活を始めるにあたって、食糧を保管するようになるとネズミに食糧を食べられるという問題が生じます。
日本では高床倉庫を作って、ネズミが食糧保管場所に侵入しないように苦心していたみたいだし。
ヒトが食糧を増やすほどネズミが寄ってくるわけですが、幸いにしてネズミを餌にするネコも寄ってきます。
ネコがヒトにとっての害獣を駆除してくれるため、ヒトはネコを進んで排除しようとはせず、ネコとヒトの互いに感知し合わない奇妙な共同生活が始まったわけです。
そういう話だから、ネコはヒトに従おうとしない、わがままできまぐれな性格を持っているそうです。
とまあ半分想像で書いてみました。いつ頃から日本にネコがいたのかは知りません。
この本にはリビアヤマネコがヒトと暮らすようになった歴史について書かれていましたけど、日本でも同じことが言えるのかも知りません。